香港までは、残すところあと2日間となり、香港下船乗客においてはこの晩がフェアウェルディナーであった。フォーマルナイトの前にP&Oの日本代理店、"クルーズバケーション"の主催でパーティがあり、少々遅れてダイニングへ移ると、我がテーブルメイトたちは既に着席して待っていた。クリスティとキャシーは以前から介護に熱心で、この船のキャビンやバリアフリーについて意見を交わしていた。クリスティがこの場でそういう話をすることに対し、突然謝ったので、私はとっさに彼女が素晴らしいショーの話をしてくれたことを思い出し、「今夜のショーは見に行くの?」とたずねた。 |
3月8日、オーロラは台湾海峡に差し掛かり、私達はキャビンで明日の下船に向けた荷物のパッキングをしていた。10時を過ぎた頃だとおもうが、珍しく船内放送で何か言っていた。本日は11時に乗組員の訓練が予定されており、警報も鳴った。気にも留めなかったのであるが、船が大きく波に揺れ、おかしいことに気づいた。停船していたのである。 |