February.09.2013
クルーズの予算と費用算出
日本の旅行会社(代理店)を経由してドル建てやユーロ建てのクルーズ商品を購入する場合、確定日(処理日)を基準にした円払いという形が取られ、キャッシュセリングレート(銀行に於いて現金で外貨を購入するときのレートで、ドル・ユーロの場合、一通貨単位あたりドルでは仲値+3円、ユーロでは+4円~6円くらいになります)が適用されるのが通例となっているようです。
一般に商取引のルール(電信為替)に於いて外貨から円に、または円から外貨に交換する場合はTTB(Telegraphic Transfer Buying)/TTS(Telegraphic Transfer Selling)レートが適用され、「middle 仲値」を元に個々の銀行が手数料を上乗せし、ドルの場合(通貨により異なります)大体仲値-1円、+1円になります。
つまり為替が変動しないでもドルから円に、円からドルにすると2円の差が生じます。
さらに入金時と支払い時の換算レートリスクが生じることからこのような取り扱いになっているようです。
クルーズでは船内の支払いにクレジットカードを登録するのが一般的であり、今後クルーズ料金の支払いにもクレジットカードを希望する人は増えるでしょう。
不思議なことに国際クレジットカードで支払ってもカード会社が確定の際相手国通貨を円換算する訳ではなく、旅行会社でキャッシュセリングレートにより日本円に換算した金額の請求が来ますので、一般的にクレジットカードで買い物する(ドルを例に取るとTTS+カード会社の手数料=TTM+1.6%~1.9%)より高い請求を受けます。(ユーロやポンド建ては往復のレート差も大きく、一層割高に感じられます。)
海外送金は日本の法律では銀行にしか認められておらず、多額の送金手数料が発生するため(通常5千円程度、クレジットカードを使用しても商取引上日本で契約、送金という形は変わらないであろうから、同様に手数料がかかる)、幾つかの会社では独自レート(社内レート)を採用し、その旨を告知しています。
しかし確定日は大抵相手方で決められるから(これは外貨建ての決済でも同じですが)為替の高い日に決済されてしまうケースは多く、昨今のように為替変動が大きいと日本人が欧米人のように先ず予算を決めその範囲内でバケーションのプランを立てる場合に費用の算出が困難となり、我が国でクルーズ旅行が伸び悩む一因もこの辺にあるのではないでしょうか?
そういう意味ではPrincess Cruisesが日本発着クルーズを円建てで発売したのは消費者目線に立ったものであり画期的なことだとおもいます。