September.12.2019

Spirit of Discovery/ 6

Rogaland(ローランド)県の県都であるStavanger(スタヴァンゲル)市は、人口約11万2千人の、ノルウェーで4番目に大きい都市である。

世界の自然の驚異のひとつであるPulput Rock(プルピットロック=プレーケストーレンとも呼ばれる)は、リーセフィヨルドの崖の一つで、水面からの高さは垂直で 604メートルになる印象的な一枚岩で、頂上はおよそ25m四方の正方形になっており、「演説台」を意味する名前の「Preikestolen」はこの形状から来ている。

天候は変わりやすく、往復7.6キロの歩行、高低差は334m。
本船の乗船資格は50歳以上、平均的にはそれより高齢の方が多く、正直こんなハードなexcursionを計画して実行できるのか?という不安をよそに、9日、ピクニックランチのリクエストフォームがキャビンに届き、驚きました。
サンドウィッチに使うパンの種類や具材、付け合わせに至るまで、ひとりひとりの好みに沿って用意してくれるって凄くないですか。

そして一昨日は、FiskepirenからTauまでRute1022の※Norled Ferry(所要約40分)に乗船、風光明媚な田園地帯をPreikestolhytta(プレイケストヒッタ)まで30分ほどバス移動してPreikestolen(プレーケストーレン)の駐車場に到着、そこからの探索はガイドも付かず自由であり、さらに驚きました。
なるほど、時間に縛られ、人にペースを合わせる必要がないのですね。かなり高齢の方も、景色の良いところまで行きランチを広げ、楽しんでおられました。

※2013年、ポーランドのRemontowa造船所にて建造された低抵抗船体採用のLNG船、RYFYLKEに乗船、ディーゼルを搭載しておらず、環境に優しいだけでなく、水澄しのように、静かで乗り心地の良いことにも驚きました。

スタヴァンゲルにはこの他、第二次大戦において、ドイツ軍がノルウェーに侵攻した歴史を辿り、航空機歴史博物館を訪ね、現存するBf109(メッサーシュミット)を見学するツアーなどもあります。

①Gamle Stavanger
18世紀と19世紀の初めに建てられた(または復元された)木造の建物で構成されており、ノルウェーの町並み保存、修復活動の礎であり、複数の賞を受賞している。
②Norledにより運航されるMF/RYFYLKE(長さ123.11m、最大幅18.14m、3,999t)は、Ryfast(建設中の海底トンネルシステム)の完成により、Borealが取得し、バッテリー運転に変換される見込みです。
③
④頂上において霧が発生してしまった。
⑤このチョイスはFormal dayでもなければ、予約も必要ありません。
 Appetizer
Caviar and lemon sour cream
キャビア、レモンサワークリーム添え
⑥僕は残念ながら写真で香りや味を伝えることは出来ません。
 Main dish
Lobster thermidor
ロブスターのグリル、ディジョンマスタードソースとコニャックで香りづけしたグリル
⑦旧Dover Marine station.
その昔オリエント急行などのロンドン-パリ間の寝台列車(The Night Ferry)は、Compagnie Internationale des Wagons-Lits(CIWL)の運営する連絡船で海峡を横断していました。
⑧Spirit of DiscoveryとSAGAの送迎サービス
  • Local time September 11 (Wed) 17:56

September.09.2019

Spirit of Discovery/ 5

クルーズにおける現在のグローバル化は、実態は資本主義大国アメリカの進出である。
例えばキュナードやP&Oは英国ブランドを残してはいるが、あのようなメガシップでのクルーズを、古き英国人は好んでいない。
EU離脱の意思表示は、そのようなグローバル化の名のもと、自分たちの伝統文化が奪われようとしていることへの抵抗であろう。

SAGA Cruiseは1996年に創設され、翌1997年、元キュナードラインのSagafjordをSaga Roseと改名してオペレーションをスタートさせた。
2004年には元VistafjordのSaga Rubyをフリートに加え、クラシカルなスタイルの英国ブランドとしての地位を確立した。
2011年には引退したSaga Roseに代わり、Hapag-Lloydの名船Europe(3代目)を、Saga Sapphireとして就航させた。
同船の建造は、GermanyのBremer Vulkanであり、Spirit of Discoveryのドイツ建造に繋がったのではなかろうか。
ただBremer Vulkanは1996年に財政難から破産しており、最後の竣工は1997年にTEUに納めたコンテナ船であった。

かつて客船はその国の文化を示すものであった。SAGAのfleetの船籍は、語るまでもなくLondonである。

  • Local time September 9 (Mon) 14:00

September.08.2019

Spirit of Discovery/ 4

ベルゲンに入港して午前中、石造りの外観が立派な鉄道駅や、中世ノルウェー建築の代表として世界遺産に登録されたブリッゲン地区などを自由にまわり、近郊のGarnes(ガーネス)からMidttun(ミッドタン)まで、Norsk Jernbaneklubb(ノルウェー鉄道協会)によって運営される保存鉄道に乗車した。

牽引する蒸気機関車Type18c、№255は1913年にHamar Iron Foundry(ハーマー製鉄所)で製造され、1981年から1993年にかけて、ボランティアにより修復された。
teak carriagesと呼ばれるチーク材を用いた4両の客車は、1921年~1938年の、鉄道黄金期の間に製造されたものである。

この線は1883年に1067mm軌間で開通し、1904年に標準軌(1435mm)に改軌され、Bergen (ベルゲン)からVoss(ヴォス)までの鉄道の一部を形成していたが、Ulrikenトンネルの開通により1964年に閉鎖された。

Garnes駅の住所はTunesveien 8、NSB(ノルウェー国鉄)新線のArna駅から92、95、200、201のバスを利用し、Garnes VGS Garnesstølenのバス停で下車するとあるが、時間が許せば蒸気船D/S Stord I でのfjord周遊がセットされたBergen Heritage TourというSunday tourに参加してしまう手もある。本年のSteam Railwayの運行予定は6月16日から、9月8日までの日曜日のみで、今日はSAGAの乗客のための特別運行のようである。

①Skoltegrunnskaien Cruise Ship Terminal
②Bryggen(ハンザ同盟のウォーターフロント)
Skoltegrunnskaienからは700m
③人々が動物を犠牲にして自然を略奪していることを風刺したStreet Art作品”Rain”
panda receiving a text message from a girl. It could say “Sorry, but the world isn’t big enough for the both of us.”
※スマホを持つ少女とパンダに注目。
④Bergen stasjonは1913年開業、建築家Jens Zetlitz Monrad Kiellandによって設計された。
LRT(Light Rail)は2010年に開業、基本の5分割された車体(105.58ft)に2つのモジュールを組み込んだ7車体の編成長は42m(138ft)ある。
⑤the Old Voss Steam Railway
Garnes stasjon
⑥passenger cars
外装はすべてチーク材
⑦
⑧
  • Local time September 7 (Sat) 21:00

September.05.2019

Spirit of Discovery/ 3

昨晩はホテルでH氏と合流し、ギネスをご馳走になった。
現地に来て、見えてくることがある。

SAGA Cruiseは正統派の上質な英国式クルーズに特化(フォーマルデーのタキシード率が非常に高い)し、乗船資格を得られる年齢を原則50歳以上(有資格者の付き添いなど、多少の例外はあります)としているが、今、次の世代への継承という課題を抱えているのだという。
確かにドーバーのターミナルに設けられたラウンジにて乗船を待つGuestは皆活き活きして見えるが、現役富裕層というよりは、年齢層が高いことが伺える。

やがて船内に迎えられると、外からは気づかなかった、とても丁寧な造りに目を奪われた。
例えば、クローゼットには、隙間防止加工が施されており、引き出しも滑らかでガタつきなどはない。
ステアは、膝への負担が配慮され、今までのクルーズ船より段が低く、傾斜が緩やかだ。手摺には、木が嵌められている。

この船のGuestは騒々しい船内を好まないので、カジノは設けず、パブリックスペースでは一見無駄と思えるような隠れ家的なスペースを、あちこちで発見することができる。
マイヤー・ヴェルフト(Meyer Werft[ドイツの造船所])を選んだ理由が、クオリティの高さであるというのもうなずける。

Art the collection
The right side is the port of Britannia Lounge (Lido Deck), and the left side is the starboard side.
The view is reversed because we looked from the bow toward the stern.
Saga World (Promenade Deck)
  • Local time September 5 (Thu) 15:00

September.05.2019

Spirit of Discovery/ 2

今回の旅、先月まで地球一周中であったので、友人であるMercury travel代表のH氏に航空券と前泊ホテルの手配をお願いした。

大手旅行会社に依頼すると、ほぼこちらの希望する価格帯で手配してもらうことは困難であるが、船友であり、しかも自らもあちこち飛び歩いている方なので、僕に代わりExpediaで予約してくれた。

British Airwaysとヒースロー空港に近いSheraton Hotelの組み合わせ、素晴らしい選択である。

British Airwaysは、ヒースロー空港にT5という専用ターミナルを持つので利便性が良く、またエコノミークラスでも、ワインを3種類のぶどう品種から選ぶことができる。

一方のSheraton Heathrow Hotelは、空港内のHilton Hotelが満室であったための代替え候補であったが、Heathrow free travel zone内であるため、運転手に行き先を告げれば公共交通のバスが無料で利用できる。SAGA クルーズは英国内の自宅(150km圏内)に専用車で迎えに行くというサービスを実施しており、ホテルに迎えに来てもらうことで、スマートにドーバー港へ移動できるのである。

TraditionalなLondonのアパートメントを連想させる、中庭の付いた低層のホテル棟
  • Local time September 4 (Wed) 22:00

December.03.2018

Spirit of Discovery/ 1

2019年から2027年までに、造船各社が受注している世界的なクルーズ客船の残は約120隻あり、そのうちの約27パーセント(33隻)は、Expedition Vessel(探検船)といわれるものです。※ Cruise Industry News調べ。
これは、メガシップによる競争がもはや限界に達し、クルーズ全体の収益が悪化してきていることと、フランスのPonant社の成功により、単価の良い探検船需要の高まりに既存船社も参入したことによります。

一方、IMOで採択され、2020年から実施される船舶燃料規制への対策のひとつである、LNG-Powered shipは供給インフラの整備など課題も多く、AIDAnovaなど、現時点では採用が比較的大きなサイズの船に限られており、Spirit of Discoveryでは、ノルウェーのYara Marine Technologies社製のSOx Scrubber(船舶用排ガス洗浄システム)を搭載して将来的な環境規制にも対応できるようにしています。
興味あるのは、Carnival GroupやRCIなど、北米資本の船社やMSCなどがメガシップ建造を続けるのに対し、欧州ではViking OceanやSagaなど、ターゲットを絞った5万トン前後の客船を造る動きがあり、とりわけSaga Cruises初の新造客船であるSpirit of Discoveryは、かってPeace BoatがEco Shipの造船所候補のひとつに挙げていたMeyer Werftで建造が進められており、サイズも58,250トンであることから、関心があります。

Saga Cruisesの母体であるSaga Gropuは、英国を拠点に旅行業のほか、保険商品の提供や月刊購読誌「Saga magazine」の運営などを行っている複合企業です。いわばクルーズはグループの顔であり、良質なサービスが期待できます。
Cruise criticによると、Saga Cruisesの経営者の多くは、※ 「伝統的なスタイルに固執したCunardの経営陣である」といわれ、クルーズ船客は99%が英国人であり、フォーマルナイトのタキシード着用率が100%であるといいます。

日本同様、周囲を海に囲まれた英国は、航海日(何処にも寄港せず、海上で過ごす日)を設定しやすいことから、クラシッククルーズに適した環境が整っているとも言えます。

Spirit of DiscoveryはDeck planでは全室が海に面しバルコニー付きで、シングルキャビンは108室(全キャビンの約20%)あり、船客定員を999名に抑えております。
推定建造費は3億5千万ドル(日本円で約400億円)であり、それなりの料金はするだろうとおもっておりましたが、10-Jul-2019の就航(予定)後48日目(24/Jul~2/Augを除く)にあたるFjord Adventurerで残り1室のSingle cabin(Grade TS)が、7Nights(8Days)2,506UKポンドで予約可能でした。

個人的にはひと昔前の船が好きですが、豊かな発想が実を結び、形となる新しい客船には、人びとの夢と次世代に向けた技術が詰まっており、わくわくしないはずはありません。