March.20.2021
SeaDream I
Sea Goddess(シーゴッデス)と聞いてピンとくる人がどれくらいいるだろうか。
SeaDream I(旧Sea Goddess I)は船齢36年ながら常に世界的客船評論家であるダグラスワード氏のレーティングでベスト5に入り、且つて我が国のクルーズ創世記に昭和海運が所有した伝説の名船、おせあにっくぐれいすのモデルともなった。
SeaDreamに1人で乗船(キャビンを占有)する場合、2人分の料金を払わなければならないという、幾らセレブな体験が出来るといっても1人で2人分のシャンパンを空けキャビアを食べられるものでもなく、釈然としない部分はあるのだが、定員僅か112名に対しクルーを95名も雇用していると聞けば、納得せざるを得ない。
古き良き時代と言われるキュナードの流れを汲む、このプライベートスタイルが自慢のヨットを所有・運航するシードリーム ヨットクラブも本年9月18日にはグローバルヨットの概念を導入したエクスペディションの新しい船(SeaDream Innovation)を就航させる予定であったが、この計画は2019年3月の発表から僅か9ヶ月で撤回された。キャンセルされた船は、イラストや主要目を見る限り、ヨットと呼ぶには大ぶりで、現在的なクルーズ客船のひとつにしか思えない。SeaDreamの顧客は、トレンドを望まなかったのが撤回理由のようで、同社は現在、新たな新造船を模索している。
Sea GoddessにもSeaDreamにも他のクルーズにおいて遭遇したことがなく、機動性を活かしてオリジナルなコースが設定されることが多い。