July.06.2016
地球一周の夢に向けて-15
僕が学生の頃は世界遺産に登録された国、地域はまだなく、また、日本が世界遺産条約を批准、締結したのはユネスコにおいて世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約が成立してから20年が経った1992年であったこともあり、世界遺産に関する知識は乏しく、関心も低かった。
ミケーネ文明の発掘されたクノッソスなど、現在世界遺産に登録されている幾らかの地域には既に足を運んでおり、この遺跡のその後もそうであるが、世界遺産を観光ブランドとしたり政治利用する一部の人たちの行為が、心の何処かで誤解を招いたことも影響している。
我が国の学校教育の多くは歴史を点で捉えていると言われ、断片的な事柄に対する年号の暗記などに重点が置かれた授業は、歴史に対する興味を失わせるのに十分である。
ツアーで世界遺産を訪れたときに、何故世界遺産なのかをきちんと説明できない添乗員やガイドが少なくないというのも頷ける。
この事象を裏付けるように、30年にわたって世界遺産の保護や広報活動に携わってきた吉岡 敦さんの講座に集まったのは、シニア世代が大半を占め、ちょっと残念であった。
まぁ、実際に寄港先でオプショナルツアーなどに参加するとなると、それ相応の資金もいるから、無理はないことなのだが、この講座は無料で開催され、僕は何にでも足を運ぶたちなのだ。
世界遺産は地球と人類の歴史であり、未来へつなぐ大切な財産である。
つまり、ひとつひとつもそうであるが、地球規模における壮大なロマンがそこにあることを、吉岡さんは熱く語った。
船で地球一周するということは、歴史の縦軸を横軸に繋ぐこと、これは昨年の日韓クルーズの水先案内人の一人であったルポライターの鎌田 慧氏が言われた、「歴史を縫う」という表現と重複するが、歴史の証人になるというおもいが込められている。
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