April.09.2016
地球一周の夢に向けて-7
4月9日、快晴。大さん橋に停泊する出航を3日後に控えたOcean Dream船内にて、第92回クルーズに関する一連の手続きを行った。
母を連れての訪船は、たぶん最後になるであろう。
バリアフリーのツインキャビンは、シングルキャビンに変わった。もう若者ではないし、シニアと過ごすにも少し早い、中途半端である。
単独地球一周を決意したのは、単に母が再生不良性貧血という病気だからというわけではない。
地球一周を決めてから、まわりがどれだけ自分に時間を費やしてくれているかは、自身の体験の中で知るところであり、メンバーとは、夢を共有することである。
介護に携わらぬ人から見れば、当然の如くクルーズは先延ばしすべきであるという意見もあろう。
しかし、先延ばしにしたからと言って、何が解決されるのか?
それは現在の社会における政治の状況と大差ないことではないか。
家族、兄弟における介護責任を問題視する人もいるだろう。
この話は簡略に留めるが、僕には兄弟がおり、その兄弟は母から金を借りてアパートに暮らし、病名を伝えてからは避けるようになった。
経済的弱者とは誰か、母は独占欲や支配欲がやや強く、正直、子離れ出来ない親には心を悩ましもした。
今思えば、始終母は父と口喧嘩が絶えなかったが殆ど一方的に父に喧嘩を売り、更年期障害もあろうが、子の心を繋ぎ止めておきたかったのかもしれない。
昔は持参人を権利者として預金の引出しが可能であったため、家族名義の口座を親が作り管理することは珍しくなく、僕の名義も借用されていた時期がある。
ところが、コツコツ預けた家の建築資金は、亡き父名義の通帳となっていたため、ややこしいことになった。
母は父の名義で通帳をつくり他界後手を拱いていたわけではないが、既に世の中のスピードにはついていけず、要らぬ相続手続きをさせられるなど、笑えない話である。
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