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February.03.2022

さかさまレストラン

本州四国連絡橋が架かる以前は、東から四国へ旅するには、大阪の弁天埠頭から出航する関西汽船を利用するか、岡山を経由して宇野ー高松間に運航されていた宇高鉄道連絡船を利用するのが一般的であった。
その他にも和歌山港と小松島港を結ぶ南海フェリーや、下津井ー丸亀航路など、それぞれに長い歴史を持った航路が存在したが、先の2つのルートは、国鉄発行の四国ワイド周遊券の乗車経路として利用することができた。
旅の途中で岡山に立ち寄ることもあり、一房数千円もするマスカットをご馳走になったこともあった。
あるとき※1)、国道2号線を倉敷に向かったところに、PAPIN(パピン)という喫茶店が出現し、話題になった。
外観が逆さまなら店内も逆さまで、鉢植えが天井から下がり、テーブルは水平なのだがカップや椅子などあらゆるものが傾斜しているから、平衡感覚が狂う。そのため気分が悪くなる人も出たというが、当然ながらトイレも傾斜していた。(笑)
あまりに目立ちすぎたため交通事故が多発し、バブル崩壊とともに早々に撤去されたが、すべて斜めにゆがめて建てたのは建築学的にも類がなかったという。
※1. オープンは1979年秋
商店建築 1979年12月号に、「建物が逆立ちし2方向に傾いている奇想天外なアイデア」と紹介され、ノウノ設計事務所(岡山)の記載があります。

1983.12.23
すべらぬ灰皿が昭和です。
傾いているのはコーヒーカップ、バスケット、間仕切りのほうです。

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