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March.18.2023

安房森林鉄道

3月6日から10日まで、PB101stで共に104日間を過ごしたメンバー4人と屋久島・指宿を巡った。
屋久杉の有名なウィルソン株や世界遺産の縄文杉へのルートに構成される安房森林鉄道は、元々は熊本営林局下屋久営林署の管轄で、1923年(大正12年)12月に安房~小杉谷間が762mm軌間にて開業しました。
1969年5月に小杉谷周辺の伐採計画の終了に伴い運材も終了したことにより、1970年より屋久島森林管理署による維持管理に変更され、小杉谷分岐から縄文杉方面に伸びる支線は鹿児島県に貸し付けられ、登山道として利用され、トイレなどの維持管理に必要な物資の輸送や、屋久島の土埋木や昔の切り株などの運搬(2009年に搬出終了)に使用され現在に至ります。
林野庁によると国有林の森林鉄道で現役なのは安房森林鉄道と京都大学芦生演習林の森林鉄道のみです。
2007年の台風被害による路盤流出により石塚線が休止、残存の路線は本線の荒川~小杉谷に縄文杉方面に伸びる96支線を加えた8.3kmと、屋久島電工所有区間10.7kmで、1953年に6kg軌条から、9kg軌条に敷設替えが行われました。

縄文杉登山の出発点にもなっている荒川の車両基地に佇むモーターカー
屋久島電工の分岐点
※小杉谷方面へはここでスイッチバックします。

Photo:S.S

花崗岩をくり抜いたトンネル

Photo:S.S

酒井製ディーゼル機関車の廃車体
コンクリート擁壁と見紛う花崗岩の一枚岩

太忠(たちゅう)橋から沢を覗く
石塚線の分岐点、本線は右カーブして小杉谷橋を渡り小杉谷事業所へ向かうが、地図では川を挟みしばらく併走が続く。

Photo:S.S

小杉谷橋を渡る影
旧小杉谷小・中学校の門前に林鉄が敷かれ、軌道や橋(欄干有)が集落の行き来に共用されていたと考えられます。

Photo:Y.Y

小杉谷山荘跡付近
森林軌道沿いに立つ三代杉

倒木更新・切株更新と呼ばれる屋久島らしい生態系を象徴する杉です。 樹齢およそ ※)千二百年だった一代目の倒木の上に二代目が育ち、樹齢約千年で伐採された二代目の切株の上に三代目が育っています。
巨大な根は二代目のもので、大きな空洞は初代が朽ちてできたものです。
※ 樹齢については諸説あります。

デルタ線(車両の向きを変えるため、三角形状に敷設された線路)
大株歩道入口(標高910m)付近

Photo:S.S

逆さ杉

幹の途中で木が折れ、枝が横に広がった杉です。

縄文杉

現在みられる屋久杉の多くは、凸凹が多く利用しにくいので切り残された、異形の巨木です。