February.26.2012
2月11日(土) Wilhelmina Bay
Drake Passageを抜けた翌日は霙雑じりの雪で視界が悪く、Mikkelsen Harbor(ミケルソンハーバー)/Trinity Is.への上陸は早々中止決定され、且つZodiac Cruiseに予定された地域の天候回復も見込めないためCaptain E GALCIAとExpedition LeaderのNicolasら(以下TEAMと略)は一気に船を南下させる作戦に出た。
Two Hummock Island付近でシャチと遭遇、じつはExpeditionのSpecialist達にとってDestinationの調整を図るのは容易なことではないということを後に知った。
何故なら南極半島とその周辺の島々に於いて上陸可能な場所は限られる上、ポイントが異なれば同じ種類の鳥や哺乳類に遭遇できるとは限らないからだ。
例えばアデリー属のペンギンの中には営巣地が限られるものもあり、バランスよく多くの生物を見てもらおうと考える前述のSpecialist達は南極条約の制約のもとで調整を図り、(例えば、ひとつの島に1日に上陸できる隻数は規制されている。)ポイントに近づくとZodiacを先行させ海の中を確認したり上陸場所の安全整備を行ない旗を立てるのである。
Test runではDrake Passageで遭遇した低気圧による余波とおもわれるうねりにより、船尾Boat MarinaでのZodiac(ゾディアック)発着に良い結果が得られなかったので、Gerlache Strait(ゲルラーシュ海峡)で隔てられ、奥まったWilhelmina Bay(ウェルヘルミナ湾)に改め、午後からのZodiac Cruiseを実施することになった次第である。
最近はDrake Passageを避け飛行機でサウス・シェトランド諸島入りするツアーがあるようだが、2日間の航海は大切な準備期間で、昔、海洋工学の研究をされているI教授が飛鳥の世界一周でデータを取っておられたが、この程度の揺れは一度体験しておけば、以後免疫ができ、肝心なところで失敗しなくて済む。というのはこの先氷海ではフィンスタビライダーは使えない。もっともCaptain E GALCIAは南極航海歴7年のベテランであり、低気圧をかわしtable wineの注がれたグラスを落とすことなくここまで上手く通り抜けてきた。
Wilhelmina Bayにはノルウェー人がこの地で捕鯨し採取した鯨油を輸送していた時代の遺産である沈没船が残され、Tern(アジサシ)が巣をつくり周辺ではImperial Shag(キバナウ)などの鳥類が時折り目を楽しませた。
この日の天候は霙のような雨のような(Zodiac上なので雪より始末に悪い)、南極地域の温暖化を早くも肌で感じた。
Wilhelmina BayをZodiac Cruiseの場所に選んだ真の目的は、明日からの上陸をスムーズに行うための訓練が必要であったからであろう。
探検隊には私の母を含む日本からの車椅子利用者が2名加わったが、対応はじつに友好的であった。
具体的にはCruise DirectorのBeatrice Von Engelmann(ベアトリス・フォン・エンゲルマン)は母がStairsを利用するのが困難とわかると通常はCloseの2Deck Dining Roomの通行を許可し、自力でZodiacに乗船することが困難なもう一人には別のZodiacを仕立て、数名のStaffが付き添った。
通常ここまでのサービスはあり得ず、いかに良いmemberに恵まれていたかを裏付けるものである。
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