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January.13.2013

Nipp●n-maru Presents「セビリャの理髪師」/後編

Image舞台に向かって左手、バルコニーの下にオーケストラを配置 ※1)、右手の2階席(5Deck,Dolphin hall)の一部分をバルトロ邸のバルコニーに見立てた。(令嬢ロジーナと叔父で後見人の医師バルトロはここから登場)
にっぽん丸のステージは僅か2stepと低く、演出家ダリオ・ポニッスィ氏は舞台と客席を一体として演出を手がけ、主役のフィガロ(セビリャの理髪師)やスペインの若き貴族、アルマヴィーヴァ伯爵などの登場人物を客席の後方から登場させたり、舞台の周囲を演技に活用した。
楽屋は5Deck,右舷のコンファレンスルームに設け、Dolphin hall内の2つの階段(舞台の右舷サイド及び客席後方の階段)を巧みに使い分けていた。
ゼネラルマネージャーの川野恵一郎さんに伺ったところ、今回のオペラクルーズの発案は約1年前、具体化したのは半年程前であったという。
にっぽん丸船上で藤原歌劇団がリハーサルできたのは初日と2日目の僅かな時間でしかない。
彼らはプロであり、下見だけで舞台演出から日々の稽古までこなしてしまう。
King and Queen towers大道具・小道具や衣裳などについても同様に当日(12日)横浜で積み込まれた。バルトロ邸に配置された家具の一部を、船内のどこかのラウンジで見たようなのだが…(笑)
そうであるならオペラは金がかかるとの常識を覆す快挙である。
上演中の環境には細心の注意が払われ、ブリッジにはその間の停船指示が記されていた。
第1幕と第2幕の間には作曲家であり食通として知られたRossini氏(1792~1868)に因んだGala Dinnerが用意され、にっぽん丸側も特別な装丁のメニューやベネチアンマスク(Venetian carnival masks)などをあつらえオペラの興奮を盛り上げた。

Suruga Bay少なくてもオペラ終了までは天候に恵まれた。
昨日、飛鳥Ⅱに続き夕暮れのライトアップされたKingとQueenの塔に別れを告げ横浜を出航、小田原を望む相模湾では7Deck後部の照明を一時的に消灯し冬の星座観察が行われた。
本朝飛鳥Ⅱと共に駿河湾へ向かい、雪の帽子を被った富士山を背景に互いが被写体となる場面もあり、それに合わせて日中Closeされていることが多い船首のNeptune Barでカクテル講座が開かれた。その後伊豆諸島へ進み、午後は新島近海をCruising、ブリッジも開放された。
Promenard deck
14日は天候の急速な変化が予想されたため(前回添付沿岸波浪予想参照)、Gala Dinnerに同席いただいた船長の久保滋弘氏より横浜着岸(大さん橋ふ頭)を12時30分頃、下船は予定通りの14時とすることが告げられたが、朝の8点鍾の時点で、入港がさらに1時間以上早まった(A号岸壁着岸右舷11:10)ことが知らされる。
なんとフィナーレは初雪である。
 

※1)今回のオケはスペースの問題もあり、指揮者に加えPとVnのみのコンパクトな構成でした。ヴァイオリンは青山英里香さんという方が担当し、セビリャの理髪師の全パートをソロコンサートの如く一人で弾いてくださいました。

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Comments

        Mr guy92 様へ

お疲れ様でした

中身の濃いグログで驚きました
教えていただいきましたオペラ歌手のブログ拝見しました
よくご存知ですね、よくチェックします
次のご予定などはいかがでしょうか?

私は4月までにどうしてもシルバーシーに乗船しなくてはなりません
さて、どの航路にしようか思案中です早くしないと空きが無くなってしまいますね

それでは・・・日々是 銀船思案

Cptain 七右衛門さま

本船のOcean Loungeにお越しいただき誠にありがとうございます。

因みにGP(ゲーペー)とはドイツ語のGeneralprobeの略であり、総稽古を意味するそうですね。
完全に本番どおりの条件でシミュレーションし、原則として止め・返しなしです。

次がSilverseaとは素敵ですね。
お土産話を楽しみにしてます。

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