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January.01.2013

Nipp●n-maru Presents「セビリャの理髪師」/前編

オペラの晩のドレスコードは何故フォーマルなのか、それはオペラとミュージカルの違いを知るところから始まります。
どちらも音楽劇であることに変わりはありませんが、オペラはクラシック音楽(Acoustic=生音)を基本とし、オペラ歌手はbel canto唱法(イタリア・オペラの発声法)や表現力で登場人物の心の内を伝え、MicやPA(Public Address=公衆伝達を意味し、具体的にはミキシング・コンソールを中心に演奏を集めてまとめ、処理して出力する方法)といった現在設備は原則的には用いません。
劇場自体が巨大な楽器に例えられ、歌手は自分の声でオーケストラの音量と向かい合い、大変エネルギーを使い体力を著しく消耗します。
ミュージカルはジャズやポピュラー音楽を基本としており、地声による自由な歌唱(音楽、歌、台詞)とダンスが結合した演劇形式です。PAを普通に通しますので、大きな劇場を持つクルーズ船には向いています。
2010年の改装後のにっぽん丸では以前にも増してDolphin hallで歌や演奏を聞くという場面が多くなりました。新春オペラに先立ち昨年4月8日には横浜停泊中のにっぽん丸船上にてソプラノ歌手の生のコンサートが開かれました。(クルーズ船の構造によってはオーケストラのピットをどのように確保するのかという問題もあり、PAの補助も考えられます。)
アメリカ文化(もとはヨーロッパ)のもとで発達したミュージカルはショービジネスであり大衆文化における消費財であるのに対し、近代ヨーロッパの象徴であるオペラはその社会の中の高級文化を代表するものとして、価値財に位置付けられます。
興行面から見た場合オペラの運営は入場料収入以外の財源により成り立っており、我が国も例外ではありません。
海外では船上におけるOpera Concert(この場合はMicを使うこともあります。)の例は多々ありますが、1つの作品(オペラ全曲)をほとんどノーカットで上演するなどという技は恐らくないでしょう。
オペラ劇場にはオペラを演じるための様々な工夫があります。にっぽん丸は素早い場面転換に欠かせない3面舞台や4面舞台とは逆の発想で、幕間に作曲家であり美食家と言われたGioachino Antonio Rossiniに因んだDinnerを用意し、客船だから可能な食と一貫したストーリーを展開しています。
1996年から2002年までプロの劇団を招聘しておりえんとびいなす(最終年のみぱしふぃっくびいなす)船上で行われたMystery CruiseはX’mas Dinnerの前に事件が発生し、その後劇団員の与えるヒントを手掛かりに推理を行い、翌朝再び解決編が上演されるというものでしたが、同クルーズは現在行われておりません。
 

● 2013年1月11日に気象庁が発表した13日21時頃の沿岸波浪予想。
● 2013年1月14日15時頃の沿岸波浪予想。

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