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June.03.2010

似て非なるもの

クルーズを選ぶうえで食事はもっとも重要な要素です。
ワンシーティング(1回制)にしろ、ツーシーティング(2回制)にしろ、レストランマネージャーがうまく席を割り振り、素敵なディナーを演出してくれることを我々は期待してます。
ところがCosta Cruiseからの突如の通知で、天津発着6 Night Far East Cruiseでは、釜山発着でも販売したためダイニングコントロールが困難になったとの理由で、ディナー時のダイニング形態をツーシーティングからオープンシーティングに変更すると伝えられました。
いや、あらかじめ希望を伺い、テーブルを用意してくれるのがオープンシーティングの姿であり、営業時間内にテーブルの指定なく自由にどうぞというのはフリーシーティングでしょう。
 
2008年、米国の住宅バブル崩壊に端を発する世界金融危機後、世界の主なクルーズ会社はいち早くクルーズ料金を値下げし、高い乗船率を維持してきました。
その結果、今までクルーズと無縁であった人たちにも乗船のチャンスが広がり、様様な意味でクルーズのカジュアル化が進みました。
 
一方、クルーズ各社は利益を確保するために人件費を抑制し、IT(Information Technology)化を推し進めました。
一例では、乗船券のe-Tiket化、web-checkinの推奨、クレジットカード登録機や通貨両替機の導入、コインレス・スロットマシンの採用、Gratuity(チップ)の自動引き落とし(チップは本来、サービスの対価として個別に支払うものです。国際的なクルーズラインではチップに慣れない乗客が増えたことにより、近頃はService Chargeという名称で強制徴収されます。)などは今世紀に入り急速に広まりました。
レストランでは安定した収入が確保された反面、指定制のダイニングから自由席制への移行も含めウェイターはより多くのテーブルを担当し、乗客の中には、彼らは話し相手する余裕もなくなってしまったよという人もいます。

NCLなどはこの方式で成功を収めていますが、問題はここがアジアであること、また、Costa Romanticaにはレストラン選択の自由がない点です。
上海万博などでも報じられているように、整列して待つということのできない人達が多数を占める発展途上のアジアクルーズにおいてこのような形を取れば、混乱することは必至であるし、母のようにハンディのある者には心配です。

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