« | »

August.09.2015

Peace&Green Boat 2015 /9

1550年、長崎(平戸)はポルトガルとの交易により、西洋の知識や技術をいち早く取り入れ、日本の近代化の基礎を築いた。
その長崎に70年前、広島に次ぐ原子爆弾が投下され、日本人だけでなく、多くの外国人も被爆し、現在も苦しみは続いている。
午前11時2分、船内で1分間の黙祷が捧げられた。

その後、明治日本の産業革命遺産として7月5日に登録が決定された、通称軍艦島(端島)へ向かった。残念ながら、台風13号の影響があり上陸は叶わなかったが、日本が世界と肩を並べた高い技術力が、八幡製鉄所向け製鉄用原料炭の供給を担った。1890年に三菱社が島を買い取り1916年(大正5年)には日本最初となる鉄筋コンクリート造りの炭鉱住宅が建設され、1974年に閉山されるまでの間、良質の石炭の産出とともに、人々の自信と誇りに満ちた輝いた瞳を、高島※1)で開催された写真展が語る。

Peace&Green Boat船上での「ナガサキから未來へ」には田上富久長崎市長はじめ、中南米の国の大使なども複数参列した。

戦後70年間、核兵器が戦争で使われなかったのは、身を以て体験した被爆者の方々が被爆の実相を語り、原爆の非人道性を世界の人々に訴え続けてきたからであると言われている。
70年も経つのに核がなくならないことに、被爆者たちは苛立ちを覚えている。

憲法の平和の理念が、揺らいでいるのではないかと、不安や懸念が広がっている。

原子炉は原爆をつくる過程で生まれた。
原発より原爆が先である。
(中略)
韓国(釜山)に於いても古里原発が稼働しているが、どちらで事故が起きても、隣国にも被害がおよび、もはや一国だけの問題ではない。
原発に依存しない、再生エネルギーを使用した社会づくりが必要である。

3.11(福島原発事故)が起こったとき、内閣総理大臣であった菅直人氏※2)は、当時最悪の事態を描いたシナリオ※3)では、国土の約半分が汚染すると推定されたと証言した。

※1)軍艦島(端島炭鉱)は、高島炭坑、端島坑と呼ばれ、採炭の始まりは高島でした。

※2)Peace&green Boatは、いろいろな分野の方に声をかけ意見を聞き、或いは証言を得ております。聴取者との間には如何なる関係も存在せず、個人の自由と権利が損なわれることはありません。

※3)福島第1原発事故から2週間後、菅直人前首相の指示で、近藤駿介内閣府原子力委員長が作成したとされ、当時公表は控えられていました。

2年間すべての原発を止めても、電力不足は発生しなかったという事実がある。

明日博多へ戻る感傷より、フットサルに夢中な少年少女たちは、Verandah Deckのコートを元気に走り回る。そもそも彼らには旅の終わりなんてないのだと気付く。
傍らで、各国来賓が女神大橋と美しい夜景をバックにした記念撮影を行っていた。
僕も通りがかりにシャッターを頼まれ、次に彼らは波へいで目撃された。

Peace&Green Boatが目指すのは、市民レベルで東アジアの子供たちに持続可能な平和を残すことである。
ゼノさんは、「戦争を止められなかったのは、大人たちの責任である。」と語り、被爆者でつくる会゛ひまわり゛は、「もう二度とつくらないで、私たち被爆者を」と訴えた。

末筆になりますが、クルーズは世界が平和でなければ成り立たない産業であると同時に、平和を築く産業でもあります。
ピースボートのクルーズは、見方を変えれば非常に豪華なキャストと充実したプログラムであり、その一部なりともお伝えできれば幸いです。

Trackback URL

Trackbacks

Comments

何を諦めてでも、脱原発、何を失ってでも、日本は二度と戦争には参加しない。
これ、くちこ的には当然なのですが、世の中はそうでは無いのですよね。
いろんな人、いろんな考え、いろんな国を認めることから始まるのでしょうが・・・
全ては必要悪ということなのかな、とも。

くちかずこさま
こんばんわ

乗船記に食事に関することとか、キャビンのこと、その他クルーズ情報などを期待された方には十分にご期待に添うことが出来ておらず、申し訳ございません。

ピースボートの活動って結構断片的にしか伝わってなかったんだなぁと、自分自身もおもいました。

ピースボートのショートクルーズ、発表されましたね。
日程は良いのだけれど、行き先が残念でした。
宮島は、我が家から車で1時間。
ハウステンボスは、来月、今年二度目の訪問予定。
ちょっと、流石に。
いつかまた、ご縁があるかな?
お元気ですか?

くちかずこさま
御無沙汰しております、

ご覧になったのは春のショートクルーズでしょうか?
こちらの夏のコースもございますが如何でしょうか。
http://www.pbcruise.jp/peacegreen/2016/index.html

我が家は建て替えのため、現在仮住まいをしております。
blogを拝見しましたが、まさに捨てられない母との戦いです。(笑)

なるほど、こちらのコースの方が魅力的ですね!
但し、いつもネックになるのですが、サメ氏の田んぼなんです。
田植えから稲刈りまでは、3、4日家を空けるのが限界ですね。
くちこは、すぐに人にお願いする段取りのですが、サメ氏は、人に頼めないタイプの人なんです。
近くに妹二人も居るのですが・・・
今度、長旅をする時は一年、田んぼを休む徒本人は言っていますが・・・・ね。

お母様との戦い、なるべく負けてあげてくださいね。
家の建て替えは相当なエネルギーが必要ですね。
くちこの母の亡くなる4年前くらいに、病身でありながら、立て替えをしたので、殆ど、くちこの肩に掛かっていたのですが、同様な戦いをしましたよ。

Comment





XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>